导演:
上映:
1978
豆瓣:冲绳10年战争
剧情:
沖縄のヤクザと本土のヤクザの戦いに警察が大きく介入して来るところが『沖縄やくざ戦争』との違うところ。更に、沖縄が舞台であるのにも関わらず、沖縄っぽい風景が殆ど出てこないところも『沖縄やくざ戦争』との違いだ。『沖縄やくざ戦争』では、登場人物達がタンクトップや半裸で暴れ回り、沖縄の暑さを表現していたが、この『沖縄10年戦争』ではみんなコートを着てるし、口から白い息が出てしまってるしで、沖縄の暑さは全く伝わってこない。そもそも沖縄でロケなんかしていない筈だ。そんな偽沖縄で、松方、千葉が暴れまくるかと思いきや、両方ともかなりお淑やかになってしまっている。特に、女房子供を抱えてしまっている千葉ちゃんの意気消沈振りといったらもう観てられない程だ。クライマックスになるまで、千葉ちゃんが誰1人殺めないだなんて、そんなのおかしいよ。松方も松方で、沖縄ヤクザの血の気をほぼ一切隠し込んでしまっている。スーツなんかに身を固めて、気取っちゃってさ。てめえの手で殺さないで、部下にひっそり支持しちゃったりしてさ。そんなの松方じゃない。あんた全然怖くないよ。気狂い名優の二人がこんな感じで作品の中で全く目立っていない。松方なんかは主役のくせに、登場するシーンも少なく、全然印象に残らない。事実上の主役は千葉ちゃんだが、千葉ちゃんらしからぬ煮え切らなさっぷりが発揮されてしまって、本土のいやらしいヤクザを思いっきり演じている小池朝雄の方が中心に映ってしまう。ああ、嘆かわしい。それなら、この作品で誰が一体格好良いのか。それは、勿論、藤田まことでも小池朝雄でもなくて、若いチンピラを演じる渡辺篤史、にしきのあきら、山田隆夫の三人だ。渡辺篤史の堂々とした青姦、にしきのあきらの悲愴感溢れる“目が見えなくなる”演技、そして、山田隆夫の壮絶すぎる死にっぷり。何故、そんな小物達のエピソードに気合いを入れちゃうんだ、っていうくらいにこの三人が目立っている。特に全くヤクザに見えない山田隆夫(なんとマッシュルームカット)が殺されるシーンなんかは、作品の最高潮だ。ちょうど『沖縄やくざ戦争』で千葉ちゃんが殺されるシーンと同じくらい。全くもって、どうしてこんな脚本になってしまったか、理解に苦しむばかりではあるのだが、たまにはこういう変化球もあっても良いかな、なんて思ったら結構楽しむ事が出来ると思う。小さく映る松方&千葉ちゃんの最凶暴コンビがあっても良いじゃないか。…とでも思わないと、山田隆夫に持っていかれちゃったこの悲劇のヤクザ映画が報われない。
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